
スケジュール管理にアレクサ搭載スマートディスプレイ「Echo Show」を使う方法
「今日はデイサービスの日よね」
「昨日行ったじゃない。今日は火曜日だからないよ」
なんて会話、親とたびたび交わしているという方もいるのではないでしょうか。
認知症で日時見当識障害が出始めると、日にちも曜日も間違えて認識してしまい、スケジュール管理が難しくなってしまいます。そうでなくても、年齢を重ねると、日付や予定を忘れがちになるのはごく自然なこと。
・・・とは言え、当事者になると結構困ってしまいますよね。
・デイサービスのお迎えが来ても外出準備ができていない
・病院の日を勘違いして出かけてしまう
・介護ヘルパーさんの訪問日を勘違いして「すっぽかされた」と怒る
・家族に何度も同じ予定を確認してしまう
・大事な約束をすっぽかしてしまいトラブルに
周囲も困惑しますが、一番つらいのは本人です。家族やまわりとの会話で、「今日は○月○日で○曜日」と思っている自分の認識が実は高い確率で間違っていることに気付けば、不安にもなるし時に自己嫌悪を抱きます。予定を何度も確認したり、迷惑そうな表情を向けられれば情けない気持ちにもなります。
スマートスピーカー/ディスプレイで解決しよう!
紙のカレンダーに予定を書き込んでも、そもそも「今日が何日なのか」という認識がずれていたら意味がありません。

そこで登場するのが、スマートスピーカー。
個人的におススメなのは、AIアシスタント「アレクサ」が内蔵され、カメラと小型ディスプレイもついた「Echo Show 5」です。最近では丸くて小さな「Echo Spot」も出ました(カメラはなし)。
- 親のAmazonアカウント(=アレクサアカウント)を作成する
- オンラインカレンダーに親のアカウントを作成する(Googleカレンダーなど)
- アレクサとオンラインカレンダーを連携させる
- オンラインカレンダーに予定を登録する
- 親がEcho Showに「アレクサ、今日の予定は?」と問いかけると教えてくれる
具体的な設定方法を紹介します。
STEP1 親のAmazonアカウントを作成する

まず、Amazonに親用のアカウントを作ります。
(「アレクサ」はAmazonのAIアシスタントで、両アカウントは共通)
実家にEcho Showを設置して使っている方の中には、親ではなく自分のアカウントでログインして使っているという方もいますが、カレンダー連携する場合には分けておいたほうが、スッキリしていいかなと思います(親と自分のアカウント使い分けが面倒なので1個だけで運用というのもありです)。
まずスマホにアレクサアプリをインストールします。
設定のためだけなので、親のではなくご自身のスマホで大丈夫です。
●アレクサアプリ(iOS版)
●アレクサアプリ(Android版)
そしてアプリを起動したら、親用のAmazonアカウントを新規作成します。
既に親用のAmazonアカウントをパソコンなどで作成済の場合は、そのアカウントでログインしてください。初回は音声ID作成や連絡先など聞かれますが、後から設定できるので、とりあえず後回しにして大丈夫です。
STEP2 オンラインカレンダーに親のアカウントを作成する

次に「Googleカレンダー」などオンラインカレンダーに親のアカウントを作ります。アレクサと連携可能なオンラインカレンダーは
- Googleカレンダー
- Microsoft Outlookカレンダー
- Appleカレンダー
です。できることはほぼ一緒なので、使い慣れているものがあればそれを選んでください。特になければGoogleカレンダーでいいと思います。
●Googleアカウントを作成(Googleカレンダーを使う場合)
アカウントを作ったら、試しに何かひとつ、予定を登録してみてください。Googleカレンダーはこちらです。家族の誕生日を終日予定として登録しておいてもいいでしょう。
アレクサとオンラインカレンダーを連携させる
2つのアカウントができたら、それをつなぐ作業です。
ちょっとだけ面倒ですが、これは最初に一回だけやれば終わるのでご安心ください。
まずアレクサアプリを開いて親のAmazonアカウントでログインし、画面下部の「その他」をタップし、次に「カレンダー」をタップしてください(以下、Android版アプリの画面です)。

大きく「予定を追加」とあるので、それをタップしそうになりますが、違います。これは「Alexaカレンダー」。デイサービスや習い事など「繰り返されるスケジュール」の設定ができないので、やはりGoogleカレンダーなどを使ったほうがいいと思います。
右上の歯車型の設定アイコンをタップしてください。そして「アカウントを追加 +」をタップします。


「Google」「Microsoft」「Apple」のうち、オンラインカレンダーのアカウントを作成したサービスを選択します。


Googleを選択するとこんな画面になります。「次へ」をタップして、アカウントを選択。この後何度か確認画面が出てきますが(チェックを入れる必要がある画面も)、初回だけなので頑張りましょう。
連携のための作業が終わると、またアレクサアプリに戻ってきます。
再び「その他」>「カレンダー」をタップします。すると、先程オンラインカレンダーでテスト的に登録しておいた予定が表示されているはずです。
オンラインカレンダーに予定を登録する
初期設定はここまでで完了です。
後はオンラインカレンダーに他の予定も入れていきましょう。使うオンラインカレンダーによって画面は異なりますが、それほど難しくはありません。スマホが苦手ならパソコン画面でも登録できます。

こちらはパソコン版のGoogleカレンダー。
左上の「+作成」をクリックして「予定」「タスク」のうち「予定」を選択します。
例えばこんな感じです。

日付や時間は、変更したいところをクリックして入力します。
また「繰り返さない▼」と書かれた場所をクリックすると、繰り返し設定の選択肢が表示されます。

例えば親のデイサービスが毎週火曜&金曜なら、まずは日付欄で次の火曜日(もしくは金曜日)の日付を選んだ上で、繰り返し設定で「カスタム」を設定します。

するとこんな曜日を複数選択できるようになるので、火曜日と金曜日の背景が青色になるようクリックして選択してください。そして内容を確認したら「保存」をクリックして完了です。
表示を変えることもできます。上部の右寄りのところの「日▼」「月▼」などと書かれた場所をクリックすると、表示を一日・週間・月間・年間と切り替えることができます。スマホでも、画面配置は異なりますが、できることは一緒です。
親がEcho Showに「アレクサ、今日の予定は?」と問いかけると教えてくれる
ここまで登録したら、Echo Show 5を親のAmazonアカウントで使えるようにします。
もし購入直後でまだ誰のAmazonアカウントとも紐づけされていない状態なら、電源を入れて起動して、親のAmazonアカウントでログインすれば大丈夫です。既にあなたのAmazonアカウントで使っているものだったら、
・スマホアプリの「デバイスの設定」で「登録解除」をする
・Echo Showの「設定」>「デバイスオプション」>「工場出荷時の設定にリセット」で初期化
このどちらかをすれば、親のAmazonアカウントでログインしなおすことができるようになります。


親のAmazonアカウントでログインしたら
「アレクサ、今日の予定は?」
「アレクサ、今週の予定は?」
など聞いてみてください。きっとオンラインカレンダーに登録した予定を読み上げてくれるはずです。

画面がついていないスマートスピーカーでもスケジュールの確認ができますが、画面付きのスマートディスプレイなら、テキストでも表示されるのでわかりやすいですね。特に質問しなくても、その日の予定がテキスト表示されるので、見るだけでも理解できます。
さらにアレクサアプリでこんな「定型アクション」を設定しておくこともできます。

どんな動作をしてくれる設定なのか想像つきますか?
これは、Echo Show 5の本体上部につけられたカメラが人を検知すると、それをトリガー(きっかけ)に自動的に「おはようございます」と挨拶して、日付と曜日、その日の予定を読み上げてくれるという設定です。親が何も呼びかけなくてもその日の予定を教えてくれる便利な設定です。
ポイントは「毎日」と書かれた下の「5:00 – 8:00 実行後に3時間休止」の部分。トイレに行って戻ってくるたびに同じことを言われたら少し煩わしいですよね。昼間に「おはようございます」も変です。だから「時間は5時から8時の間」で、かつ「実行したら3時間休止」なのです。これなら、5時に親が起きてきてこの定型アクションが実行されたら、その後3時間の休止に入るので、同じ日に何度も繰り返されることはありません。
「今日の予定は?」と聞いても、ほとんど何も入っていないと、親もつまらなくなって使ってくれなくなります。なので最初はちょっと多めに予定を入れておくといいでしょう。
・デイサービスなどの予定
・介護ヘルパーさんやケアマネさん来訪日程
・病院の診察予約日
・家族・親族の誕生日(終日予定として時間設定なしで入れるなどの方法も)
・結婚記念日やその他の過去の記念日
・ゴミ出しの曜日
・親が毎週楽しみにしているテレビ番組
・離れて暮らす子供が帰省する日
ちなみに、デイサービスの外出準備や食後の服薬などを促すための定型リマインド(「あと30分くらいでお迎えが迎えにくるのでそろそろ外出準備をしましょう」など)は、カレンダーではなく、アレクサの「定型アクション」を使ったほうが、より細やかな設定ができるので、そちらについてはまた別途ご紹介したいと思います。
+ + +
この記事を読んで「ちょっと難しいかな」と感じたかもしれませんが、初期設定だけ終われば後はそれほど難しくはありません。親も、自分で簡単にその日のスケジュールや翌日、その週の予定を確認することができ、不安な気持ちが落ち着くでしょう。
親が自分でできることを増やしていく自立支援のサポートはとても大切です。
また「何度も同じことを聞かれる」「ちゃんと外出準備しているか心配になる」ことが減れば、見守る家族のちょっとイラっとしてしまう機会も減り、結果、穏やかな気持ちになって親との関係も変わると思います。
ぜひチャレンジしてみてください。
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入門編
初級編
<目的からチェック>
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- 熱中症を防ぐ/家電製品の消し忘れチェック
- いつでも顔を見ながらコミュニケーション
- 外出・帰宅を確認/遠方から来客対応する
- リモコンが苦手になっても「声」で家電や照明操作
<モノからチェック>
- まずは手軽&安価にネット環境を作る
- 見守りの「目」になるネットワークカメラ
- 家電遠隔・自動操作するスマートリモコン
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