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認知症の症状のひとつとして「日時見当識障害」というものがあります。日にちや曜日、時間、季節といった感覚を失ってしまうもの。

病院の診察日と勘違いして出かけてしまったり、違う曜日なのにデイサービスのお迎えをずっと待ってしまったり。同居家族がいれば、「今日ではない」と指摘できますが、一人暮らしだとそうはいきません。また毎回家族に「間違っている」と指摘されれば、自尊心も傷つき落ち込みます。

カレンダーは「今日が何日」なのかは教えてくれない

時間は時計を見ればわかるのですが、実は「今日が何日か」を教えてくれるものは限られます。カレンダーを見ても教えてくれないのです。

新聞をとっている家ならそこで日付を確認できますが、新聞を読めなくなっている、新聞をとりにいくのを忘れ溜め込むなどで購読をやめた家もあるでしょう。また古い新聞紙を片づけなければ、日付がわからない人にとっては、どれが最新の新聞かも判別できません。

日付が大きく表示されるデジタル時計

そこで使えるのが、日付も表示されるデジタル時計です。プレゼントとして、贈ってもいいでしょう。

ただこれも、ダメな場合があります。そもそも「今日は○月○日」と思い込んでしまっていると、確認しようとならないのです。また、認知症が進むと、数字がたくさん並んでいるとよくわからなくなってしまうケースもあるようです。

スマートスピーカーが高齢者のスケジュール管理の強い味方！

そこでスマートスピーカーです。

使ったことある方ならご存じかと思いますが、「AIアシスタント」と呼ばれる、人が話した内容を解析・理解して、質問に答えたり音楽を配信してくれるサービスが利用できるスピーカーです。

ディスプレイがついたタイプもあります。

オンラインカレンダーと連携して、予定の少し前にリマインド

これは、AmazonのAIアシスタント「アレクサ」が利用できる「Echo Show5」（右）と「Echo Dot」（左）です。Googleカレンダーと連携させれば、登録した予定の少し前にそれを読み上げてくれます。

病院の診察予約日や、お客さんがくる日など、家族が替わりにGoogleカレンダーに登録しておけば、前日、1時間前、10分前と予定を音声で教えてくれるので、うっかり忘れていても思い出せます。またゴミの日やデイサービスなど、曜日が決まった予定も繰り返し設定で簡単に登録できます。

こちらは、「Google アシスタント」が利用できる「Google Nest Hub」（左）と、「Google Home mini」（右）。使っていない時には好きな写真をローテーション表示させておくこともできます。

指定した曜日・時間に特定のメッセージを読み上げさせることもできます。この機能を使えば、デイサービスのお迎え30分前に「デイサービスのお迎えが9時少し前にきます。そろそろ外出準備をしましょう」など呼びかけてもらうことができます。

また朝起きた後に「今日は○月○日○曜日です。天気は・・・」など日付も読上げてもらうように設定すれば、日時見当識障害の人でも、頭の中の日付が正しくリセットされます。もちろん時間とともに忘れてしまうので、必要なら一日に何回か、日時・曜日を読み上げるようにすればいいでしょう。

「高齢者にスマートスピーカーは無理」なんてことはない

設定からすべて本人が行うのは無理でも、初期設定やGoogleカレンダーとの連携、カレンダーへの繰り返し予定の登録などを家族が行えば、後は勝手にスマートスピーカーが予定や外出準備のリマインド、食後のお薬の声がけ、日時の読み上げなど行ってくれます。

こんな二人三脚での活用なら、高齢者だってしっかり活用できます。いやむしろ、高齢者にこそ活用メリット大な製品だと思います。

スマートディスプレイなら、こうして予定がテキストでも表示されます。

オンラインカレンダーとの連携方法や、ルーティン・定型アクションの設定方法などは、別記事で詳しくご紹介します。