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“位置”もわかり“転倒”を検知できる高機能人感センサー~Aqara「Presence Sensor FP2」

2024年3月にAmazonでの発売を開始したIoTメーカー「Aqara」(公式ストアはこちら)。その目玉商品のひとつが、高機能人感センサー「Presence Sensor FP2」です。

この人感センサー、単に動体検知するだけでなく、空間を把握して「どこに人がいるか」も遠隔からチェックでき、さらに「転倒検知機能」も搭載され、高齢者の見守りにもぴったり。今回こちらもレビュー用に貸与してもらったので、さっそく試してみました。

INDEX

  1. Aqaraの人感センサー「Presence Sensor FP2」の特長
  2. 利用目的にあわせて3つの「検出モード」
  3. 空間を把握して、人がいる場所もわかる「ゾーン検出」
  4. 転倒を検知して通知してくれる「転倒検知」
  5. 睡眠モニタリングにも
  6. プライバシーを尊重した高齢の親の見守りに
  7. 部屋の照明オートコントロールなどにも

Aqaraの人感センサー「Presence Sensor FP2」の特長

ネットワークカメラと違い、一般家庭ではまだ使っている人も少ない人感センサー。でも、高齢の親の見守り機器としてはとっても優秀なんです。私も母親の見守り役のメインは、途中から人感センサーでした。トイレのタンク上の飾り棚に置いて、一人暮らしの母親がトイレに入るたび自分のスマホに通知がくるようにしたのです。もし半日通知がなければ「あれ?何かあったのか?」となるわけです。

ネットワークカメラだと親に抵抗感を抱かれがちですが、人感センサーなら純粋に安否確認だけできるので、その点でも安心です。

そんな中、すごい人感センサーが登場しました。Aqaraの「Presence Sensor FP2」です。価格は12,980円(2024年3月23日時点)で他メーカーの人感センサーと比べると高めですが、機能が全く違います。

数千円で買える一般的な人感センサーの場合、検知可能な範囲に人が現れたり横切ったりすると「人が検知された」となり、スマホアプリにもそのように通知がされます。また、「人が検知された」「人が一定時間いない状態が続いた」をトリガーに、電気をつけたりテレビを消したりするため、スマートリモコンやスマートスピーカーなどと連携できます。

この「Presence Sensor FP2」は、単に「人を検知した」だけじゃないんです。

  • 複数の人の検知が可能(最大5人)
  • 空間の中で人がどこにいるかを把握してマップで見える化
  • 空間をゾーンに分割して、各ゾーンごとに自動化の設定が可能
  • 天井に取り付けて転倒検知のために使うこともできる
  • 光センサーを内蔵していて部屋の明るさも測定

「え、どういうこと?」

って思いましたよね。私も最初、イメージが全く湧きませんでした。複数人の検知って?空間把握ってカメラでもないのに?と。

利用目的にあわせて3つの「検出モード」

この製品を使う際には、まず「検出モード」3種類の中から、どれを利用したいのかを選ぶ必要があります。というのも、モード選択により製品の設置方法も異なるからです。

なのでまずはスマホアプリでモードを選び、その後、選んだ検出モードごとの設置場所や設置の注意点をスマホアプリで確認し、壁や天井に取付をします。

  • ゾーン検出
  • 転倒検知
  • 睡眠モニタリング

今回は「ゾーン検出」と「転倒検知」を実際に使ってみます。

空間を把握して、人がいる場所もわかる「ゾーン検出」

一般的な「人を検知する」目的で使うのがこの「ゾーン検知」です。一般的な人感センサーは割とどんな場所に置いてもいいのですが(単に動体を検知したらお知らせしてくれるだけなので)、FP2は取り付ける高さなどが決められています。

ひとつ注意事項があります。和室で、畳の上やじゅうたんの上に座って生活をしているというケースもあると思います。床に直接座っている場合、FP2取付位置によっては「人が座っている」と検知してくれない場合があります。

取付位置は床から1.4~1.8mの間となっていますが、和室の場合はその範囲よりさらに低めの位置に取付けたほうがいい場合もあります。また、人が死角に入ってしまえばそれも検知されなくなりますので、家具がいろいろある部屋の場合、なるべく見晴らしがいい場所に取付けましょう。

今回はサイドボードの柱部分に同梱されていた丸い金属板を両面テープで貼りつけて、設置しました。

そしてアプリで「空間」と人がいる位置を把握するための初期設定をしていきます。AI学習では、一定時間、人やペットやロボット掃除機など動くものを部屋から排除して行います。

このAI学習を行う前は、なぜか自分しかいない室内に複数の人がいるとでましたが、その後はちゃんと自分一人のみを認識してくれるようになりました。

そして初期設定では、部屋の右端まで移動して「ここが右端」とボタンをタップして知らせ、次に左端と後方の壁の位置も同じ方法でアプリに登録し、部屋の広さをセンサーが把握できるようにします。

領域の設定も終わるとこんな画面になります。

上部の同心円になっているのが、人感センサーです。そして部屋の中の人アイコンが自分がいる位置です。右に一歩動くとその点も右に動き、左に数歩歩くと、わずかな時間差で点も同様に動きます。流石に前後はわからないだろうと思ったけど、人感センサーに近付けば点も人感センサーから離れたり近付いたり。

すごい!

さらに、家具や室内の様々なもの(観葉植物やカーテンなど)もアプリ上で追加できます。これを行うことによって、遠隔地からスマホで確認した時に、ソファのどこに座っているのか、あるいは部屋のどこに立っているのかなども一目瞭然です(ちなみに空間は6m×6mまで大丈夫とのこと)。

上の画面の白い部分が室内です。

人感センサーの検知状況を確認する画面です。私はひとり暮らしのため、複数人の同時検知は試せていませんが、最大5人まではこの点が追いかけてくれるようです。AI学習させる前の短い時間、センサーがなぜか室内に人が二人いると誤検知をしたのですが、その時の画面はこんな感じです。

例えば、実家の見守りに使う場合、訪問介護ヘルパーさんが来てくれたりその他の来客状況などもこれがあれば確認することができます。

転倒を検知して通知してくれる「転倒検知」

「転倒検知モード」を選び、天井にFP2をとりつけると、人が室内で転倒した時にスマホアプリにそれが通知されます。

天井への取り付けがちょっと大変だったので、替わりに照明器具に仮留めして実験してみました。裏面がマグネットになっているので、それを照明器具に取り付けた缶詰に貼り付けての固定です。

床にヨガマットを敷いて、試しに倒れてみました。するとアプリでこんな通知がでます。

私は、母親が廊下で転倒して、自力ではなかなか起き上がれなくなってしまっていて、それをいかに早く見つけて助けてあげられるかが大きな課題だったので、その時にこれがあったら、廊下の天井などに間違いなく取り付けていたと思います。

こうした「転倒状態」を検知するセンサーは、カメラで撮影して瞬時にAI解析する製品は今までも存在していましたが非常に高額で、高齢者施設など基本的に法人向けの製品でした。それがセンサーだけで1万円台で買えるというのはすごいことだなと思います。

ただ、部屋が雑多だったせいか、設置場所が天井ではなく照明器具に紐で固定しただけだったのがいけないのか、転倒状態で床に倒れても検知してくれないこともありました。今度別の部屋でちゃんと天井に貼り付けて、どのくらいの精度で検知されるか実験してみたいと思います。

なお、この「転倒検知モード」にしてしまうと、先ほどの空間のどこに人がいるのかというゾーン検知はできなくなります。

睡眠モニタリングにも

検出モード3つめは「睡眠モニタリング」です。睡眠状態をモニタリングすることができる機能だそうです。「Limited Free」とのラベルがついているので、まだ正式リリースされた機能ではなく実験段階で無料利用可能にしているものなのかもしれません。

こちらは、あとで寝室に設置して試してみたいと思います。

プライバシーを尊重した高齢の親の見守りに

単に「トイレに入った」状態を検知して安否確認するだけなら、動体検知ができるだけの安価な製品で十分です。それとネットワークカメラを組み合わせれば、安否確認もでき、どこで何をしているのかも確認することができます。

ただ実際には、ネットワークカメラの導入は嫌だと拒否されてしまうこともあるでしょう。そんな場合には、「部屋のどこにいるのか」カメラ無しでもわかるこんな人感センサーが有効な気がします。

ソファに座っているのか、それとも作業机に向かっているのかなどもわかります。本来はいる場所のない一角に長時間いるようだったら、何かあったのかもと気付くこともできます。もちろん転倒検知モードにして使うこともできます。

また高齢者にとって危険の高い場所のひとつに「浴室」があります。浴室内での転倒や、温度差などによって急な脳血管疾患を発症してしまう可能性もあるでしょう。動けなくなっても携帯電話などもなく、助けを呼ぶのは難しくなります。このセンサーをつけておけば、「浴室に入った」時に通知がくるので、ちゃんとお風呂から出るまで気にしておくこともできます。

部屋の照明オートコントロールなどにも

見守り目的以外でももちろん便利な使い方ができます。

部屋をいくつかのゾーンにわけて、例えばソファに座った時、ピアノのの前に座った時、広いスペースでエクササイズを始めた時などの照明を自動的に切り替えるなどです。

例えば夕方以降にピアノの前に腰掛けたら、楽譜にしっかり照明があたるようスポットライトを自動で点灯するなんていう使い方もあるでしょう。ソファの座る場所に応じて間接照明を変えるというのも素敵ですよね。

私は近くリビングをリフォームして、くつろぎスペース兼作業場にする予定なので、その際には照明器具をすべてIoTにして、このFP2で制御できるようにしてみようかなと考えています。

アイディア次第で、生活空間のいろいろなことを「自動化」できるかもしれません。詳細な機能については、Amazonの販売ページをぜひチェックしてみてください。

●Aqara「Presence Sensor FP2」(Amazon)

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