
スマートスピーカー/ディスプレイが「バーチャル秘書」としてサポート

スマートホームの要となる「スマートスピーカー」に「スマートディスプレイ」。
「今日の天気は?」
「エアコンをつけて」
「1時間後にタイマーをかけて」
など質問や指示をすると、ちゃんと回答・実行してくれるというものです。
さらには定時になると「まもなくデイサービスのお迎えです。外出準備をしましょう」「朝食後のお薬はもう飲みましたか?」など声がけもしてくれるんです。
忘れっぽくなった人から認知症の人まで、しっかりサポートしてくれる「秘書」ともいうべき存在。声で操作できるので、スマホやパソコンは無理という人でもすぐ慣れます。
スマートスピーカー・スマートディスプレイって何?

左側の丸い形をしたものがスマートスピーカー、そして右側がディスプレイ付きスマートスピーカー、あるいはスマートディスプレイと呼ばれるものです(当サイトでは後者で統一します)。
見た目は違いますが、基本機能は一緒。「声で質問や指示をすると、AIアシスタントがその内容を理解して、音声で答えてくれたり指示にしたがってエアコンをつけたり音楽を流してくれたりする」というものです。
「AIアシスタント」とは、人が話した音声を解析して、質問に答えたり指示にしたがっていろいろなことをしてくれる技術・サービスのこと。iPhone搭載の「Siri」や、Windowsパソコンに搭載されている「Cortana」もAIアシスタントです。
スマートホーム用途としては「OK グーグル」で知られる「Googleアシスタント」と、Amazonが開発した「アレクサ(Alexa)」が利用者も多く人気です。
<導入メリット1>声で質問・指示するだけでいろんなことができる!

「スマートスピーカーなんて、自分でも使いこなせないのに親世代に大丈夫?」と懐疑的な方も多いですが、スマホやパソコンが苦手という人にこそスマートスピーカー/スマートディスプレイです。
例えばインターネット使って天気予報を調べたいという場合。パソコンなら起動してログインして、ブラウザを開いて「天気予報」などと検索して・・・と、情報に辿り着く過程は結構長いです。スマホならもっと簡単ですが、画面をタップしながら進んでいくのは、認知症が進行している人にはちょっと難しいかもしれません。
でもスマートスピーカーなら「アレクサ、今日の天気は?」と聞くだけ。これで答えてくれます。
他にも・・・
「今日のニュースは?」
「312+422は?」
「今日は何の日?」
など、いろいろな質問に答えてくれます。意外と便利なのがタイマー。
「5分後にタイマーをかけて」
と言えば5分後にアラームで知らせてくれます。台所でお湯を沸かしているのを忘れてしまったり、30分後には外出しようと思っているのにすぐ忘れてしまうという人は、この音声でタイマーをかける機能はとっても便利。これに慣れると、キッチンや玄関など家中いたるところにスマートスピーカーを置きたくなるほどです。
「エアコンをつけて」
「テレビのボリュームを大きくして」
スマートリモコンと連携させれば、エアコンやテレビ、天井照明など様々な家電製品や照明を声だけで操作できます。
認知症の進行で、今まで問題なく使えていたリモコン操作が苦手になってしまう人がいます。ボタンがたくさんあると、「これを押せばこうなる」という判断が難しくなるのです。そしてリモコン操作がストレスに感じてしまうのですが、声による操作なら問題なくできたりも。
リビングだけでなく寝室にもスマートスピーカーを設置すれば、冬の寒い朝、「リビングのエアコンをつけて」と言うだけで、離れた部屋を事前に温めておくこともできます。これは寒い中での転倒リスクを減らすことにもつながります。
<導入メリット2>定時リマインドで「うっかり忘れ」を減らせる

食後のお薬ってつい忘れてしまいます。ましてや高齢者や、認知症が始まっている人はなおさらなのですが、「お薬飲んだ?」の声がけひとつで思い出せたりもします。
そんな「リマインド」役を担ってくれるのが、このスマートスピーカー/スマートディスプレイ。
事前にスマホアプリで、曜日・時間とメッセージを設定しておけば、決まった時間に定型メッセージを流してくれます。たとえばデイサービスに行く日の朝、忘れて寝間着のままずっとテレビを見ていることもあるでしょう。そんな時、
「今8時30分です。今日はデイサービスの日。お迎えが8時50分頃に来ます。外出準備を始めましょう」など呼びかける設定にすれば、そこから着替えたりトイレに行ったり玄関に移動したりできます。
カメラ付きのスマートディスプレイなら「人を検知した時」などをトリガー(きっかけ)にすることもできます。例えば朝、最初に人を検知した時に「おはようございます。よく眠れましたか?今日は2件予定があります。1件は・・・」など挨拶をさせることもできます。
Googleカレンダーと連携させれば、病院診察日やデイサービスやヘルパー来訪など繰り返しの予定も読み上げてもらったり、予定時間のちょっと前に通知してもらうこともできます。
日時や曜日がわからなくなってしまう日時見当識障害が出ている場合も、定期的に「今日は○月○日○曜日です。現在の時刻は・・・」と日時曜日時間を読み上げてもらう設定にしておけば、ズレてしまった日時感覚が修正されます。
<導入メリット3>Echo Showならビデオ通話も楽々
見守り用途でおススメのスマートディスプレイは、Amazonの「Echo Show」シリーズです。その理由は「呼びかけ」機能を使ったビデオ通話。
使い方は簡単で、自分の携帯にアレクサ(Alexa)スマホアプリをインストールし、実家に置いたEcho Showと同じAmazonアカウントでログインします。その状態でアプリから「呼びかけ」をすると、親が何もしなくても勝手に実家Echo Showとの間でビデオ通話が始まります。
応答アクション不要でビデオ通話が始まる「呼びかけ」機能を別のアカウント間で利用する時には、事前にその設定が必要となります。
認知症が原因で、電話やLINE通話での「応答」アクションが難しくなることもあります。そして電話をしてもなかなか出てくれなくなると、状況もわからず不安になりますし、会話が減ればさらに認知症が進んでしまうこともあります。
Echo Showの「呼びかけ」機能を使ったビデオ通話なら、いつでも顔を見て会話できますし、孫との顔を見ながら会話など、親にとっても楽しみが増えます。
Googleアシスタント?それともAmazonのアレクサ?
私は元々Googleアシスタントを愛用していましたが、この「呼びかけ」機能を使うためAmazonアレクサに乗り換えました。
スマートリモコンと連携させての家電操作や、曜日・時間を指定してメッセージを流してもらうなど、基本機能は一緒です。
ただ見守り目的の場合、アレクサのほうが有利な点がいくつかあります。ひとつはやはり呼びかけ機能を使ったビデオ通話。またGoogleカレンダーと連携させて予定の直前にプッシュ通知してもらうのも、アレクサのほうがやりやすいです。
おススメはリビングと寝室に1台ずつ

まずは日中、主に滞在するリビング(居間)にスマートディスプレイを1台。予定を音声だけでなくテキストでも表示してくれたり、日時と時間、その日の気温も表示してくれるので、ディスプレイ付きのほうが役立つと思います。顔を見ながらのビデオ通話にも使えますし。
慣れてきたら、寝室にもスマートスピーカーをひとつ設置しましょう。スマートリモコンもセットで置いて連携させれば、寝室の天井照明やエアコンも音声操作できるようになり、夜中にトイレに行く時にも安心です。
また昼寝する時間が増えると、1日の生活リズムが乱れたり、食事もせず寝続けてしまうこともあります。デイサービスなどの迎えが来ても寝続けてしまうなんていうことも。寝室のスマートスピーカーから、デイサービスのお迎え準備や昼食のリマインドなどあれば、起きるきっかけにもなります。
ちなみにAIアシスタントが使えるのはスマートスピーカー/スマートディスプレイだけではありません。スマホアプリでも同じことができ、アレクサなら、Amazonのタブレット「Fire」シリーズでも使えます。余っているスマホやFireタブレットがあれば、それを寝室用にしてもいいでしょう。
製品&価格一覧
<アレクサ(Alexa)/Echoシリーズ>
Amazonが販売しているスマートスピーカーは「Amazon Echo」。球体がかわいい「Echo Dot」には時計表示機能がついたものもあります。カメラ付きのスマートディスプレイをまずは試すなら「Echo Show 5」がおススメ。製品一覧はこちら。
Echo Dot 第3世代 Amazonでの販売は終了しているが、メルカリ等で購入可能。100×100×89mm/300g | 4,980円 | ![]() |
Echo Pop 2023年5月に新登場した半球型。99×91×93mm/196g | 5,980円 | ![]() |
Echo Dot 第5世代 球体型で温度センサー内蔵。100×100×89mm/304g | 7,480円 | ![]() |
Echo Dot 第5世代 時計付き 時間や曲名が表示されるLED付。100×100×89mm/351g | 8,480円 | ![]() |
Echo 第4世代 本格的な音が楽しめる。144×144×133mm/940g | 11,980円 | ![]() |
Echo Show 5 第3世代 手のひらに乗るサイズでどこにでも置きやすい。147×82×91mm/456g | 9,980円 | ![]() |
Echo Show 8 第2世代 8インチで動画視聴もしやすいサイズ。200×130×99mm/1.037kg | 14,980円 | ![]() |
Echo Show 10 第3世代 人を追いかけて10インチディスプレイが自動回転。251×230×172mm/2.56kg | 29,980円 | ![]() |
Echo Show 15 15.6インチで主に壁掛け利用。縦向き設置も可能。402×252×35mm/2.2㎏ | 29,980円 | ![]() |
<Google アシスタント/Google Nestシリーズ>
声もかわいいと人気のGoogleアシスタントが使えるスマートスピーカー/スマートディスプレイです。Google Nest Hub Maxにはカメラも内蔵されています。
Google Nest Mini | 6,050円 | ![]() |
Google Nest Hub | 11,000円 | ![]() |
Google Nest Hub Max | 28,050円 | ![]() |
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入門編
初級編
<目的からチェック>
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- スケジュール管理・毎日の日課リマインド
- 熱中症を防ぐ/家電製品の消し忘れチェック
- いつでも顔を見ながらコミュニケーション
- 外出・帰宅を確認/遠方から来客対応する
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<モノからチェック>
- まずは手軽&安価にネット環境を作る
- 見守りの「目」になるネットワークカメラ
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製品レビュー
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