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高齢者見守りのポイント

「何かあってからじゃ遅いから、ちゃんと見守り体制を作っておかないと」

と思っても、その「何か」が漠然としたままでは、何をどういつ見守ればいいのかもわかりません。高齢者の生活、特に一人暮らしの場合にどんなリスクがあるのか、何が大変なのか、具体的にイメージしてみる必要があります。

安否確認~異常事態になるべく早く気付く

本人も、そして家族も一番不安に感じているのがここでしょう。一人暮らしの高齢者の場合、急な発病や転倒で起き上がれなくなった時、外に助けを求めることができず長時間そのままとなってしまうこともあります。

真夏にエアコンをつけず、熱中症になってしまう高齢者のニュースもよく目にします。脱水症状になれば、そこから自力で救急車を呼ぶのは難しくなります。脳梗塞などの脳血管疾患では、少しでも早く治療開始することで、その後の回復状況も大きく変わります。

トイレの入り口や廊下など、日常生活の中で必ず利用する場所にセンサーを取り付けたり、電気ポットや照明などを利用した際にその情報がインターネット経由で家族に通知されるようなサービスを利用することで、何か異常事態が発生した際に、離れて暮らす家族やセキュリティ会社のスタッフがそれを早めに知ることができる「安否確認」の仕組みが必要です。

緊急SOSボタン~いざという時、外部に助けを求める

転倒して起き上がれなくなったり、急に体調悪化した時など、外部に助けを求める緊急SOSボタン。一般的なものは押すと電波の届く範囲内に置かれたチャイムが鳴って家の中の家族を呼び出すというものですが、今はWi-Fi接続して使うタイプのものがあり、押すとインターネット経由で離れた場所にいる家族のスマホに通知が届きます。

家の中や庭など、自宅のWi-Fi電波が届く範囲内での利用となってしまいますが、持病を持っている場合など、首から提げて常に持ち歩けば、トイレや風呂場で倒れた場合にも外にいる人にそれを知らせることができ、本人も離れて暮らす家族も安心です。

スケジュール管理のサポート

認知機能が低下してくると、スケジュール管理にも支障をきたすようになります。次に病院に行く日がいつなのかがわからなくなってしまったり、ゴミ出しの曜日なのに毎回忘れてどんどん溜まっていってしまったり。認知症では、今日が何日で何曜日なのかという日時感覚がなくなってしまう「日時見当識障害」が現れるケースがとても多いのです。

一緒に暮らしていれば、カレンダーに予定を書き込んで本人が確認できるようにすることもできますが、遠方に住んでいるとそれも難しいもの。

そんな時には「オンラインカレンダー」と「スマートスピーカー/ディスプレイ」の組み合わせが便利です。例えばAlexaの定型スケジュールを設定して、朝起きた時や一日の中で何度か「今日は○月○日○曜日です」と言わせることもできます。Googleカレンダーに親の予定を登録し、親が「OK Google、今日の予定は?」「今週の予定は?」などと話しかければ、その日の予定を読み上げて教えてくれるようにすることも可能です。

デイサービスの日なのに、すっかり忘れて寝間着のまま・・・ということも一人暮らしの高齢者にはよくありますが、その曜日のお迎えがくる時間が近付いたら「今日はデイサービスです。そろそろ出発の準備をしましょう」など、スマートスピーカーにリマインドさせるのも有効です。

家電製品のコントロール

例えば電気ストーブがずっとつけっ放しになっていたり、真夏にエアコンをつけず熱中症になってしまうなどのリスク。これらは時に命にもかかわるものです。また認知症になると、ボタンがたくさんあるリモコン操作が苦手になったりします。それが理由でテレビもつけなくなり、一日何もせずぼーっとして過ごすということもあるようです。

こうしたことは、スマートリモコン導入で改善・解決することもあります。遠く離れた場所からスマホ経由でコントロールできますし、スマートスピーカーと組み合わせれば「アレクサ、テレビをつけて」など、音声操作だけでON-OFFできます。リモコンは苦手になっても、声で指示することは問題なくできる人も多いのです。

また時間や曜日で自動的につける設定も可能なので、冬の早朝、親が起きてくる前にリビングのエアコンを自動的に稼働させる設定にすれば、寒さで身体がこわばって転倒するなどの事故も減らせます。

防犯

高齢者だけが住む家は、悪意をもった人にも狙われやすくなります。とくに一人暮らしでちょっと認知機能や判断力が低下している場合には危険も高くなります。施錠も忘れがちの場合には、防犯と見守り兼ねたネットワークカメラの導入やスマートロック設置で備えましょう。スマートロックなら、玄関の施錠状態をスマホで確認できますし、遠隔操作で施錠することもできます。

またスマートドアベルがあれば、来客対応をスマホ越しにできます。リフォーム詐欺の飛び込み営業も多発しています。相手の言葉に流されやすくなっている高齢の親に替わり、怪しいセールスを撃退できます。

徘徊

徘徊というと、街中を目的もなくうろうろさまよい歩いているイメージがありますが、実際には病院に行こうとして外出したのに、途中でどこに行こうとしていたのかわからなくなってしまったり、ずっと以前の習慣がよみがえって親せき宅や会社に行こうとしたけど、その場所に行くにはどうすればいいのかわからなくなり、見知らぬ場所でパニックに・・・というようなこともあるようです。

なかなか外出を止めることは難しいもの。だとしたら、「知らないうちに外出していた」事態を防ぐため、玄関に開閉センサーや防犯兼ねたネットワークカメラを設置し、かつ必ず身に着けるだろう靴や杖、バッグなどにい位置情報把握のためのGPSを取り付けるなどする方法があります。もちろん本人がスマホを携帯してくれるのであれば、アプリでの探索も可能です。

その他

家電製品や照明など音声で操作できるようにすると、身体が不自由になった高齢者にとっては座ったままでもできることが増え、楽になることがあります。さらに「エアコンをつけて」「電気を消して」といった指示履歴をネット経由で確認することもできますので、これも安否確認になります。

買い物に生協の宅配などを利用している高齢者も多いでしょう。毎週決まった曜日に食材を運んできてくれ、きちんと食事ができていることの確認にもなります。同様にお弁当や牛乳・ヨーグルトの宅配なども、安否確認と言う観点からも利用する価値があります。

長期入院で、実家に誰もいない状態が長く続くことも多々発生します。そんな時の防犯や家の管理をどうするかといったことも、見守りではありませんが念頭に入れておく必要があります。

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