課題・リスクを書き出して導入プランを作る
転倒しやすくなったり、スケジュール管理が難しくなったり、郵便物が溜まってしまっていたり。以前できていたことが筋力や認知力の低下で難しくなってくると、本人のストレスはもちろん、周囲の家族も憂鬱な気持ちになってしまうものです。
でも解決策・改善策はきっとあると信じ、まずは実家の親の生活に今、どんな課題やリスクがあるのか、思いつくだけ書き出してみましょう。
どんな課題を解決したいかが先
介護や見守りに限らないのですが、困りごとがある時に「これを導入したらいいかも」とモノ・サービスにだけ目がいくと、肝心の「解決したい課題は何か」がぼやけたままになりがち。
「モノ・サービス先行」で進めると、何のためという目的部分が曖昧になって、導入しただけで満足して運用面で不十分になったり、ちゃんと活用されないままになってしまうこともあります。また「実はこんな課題解決にも役立つものだった」という発想に至りにくくなります。
まず「どんな課題があるのか」を整理してちゃんと理解することが大事。そのためにもまずは、近い将来の可能性も含め、思いつくかぎりの課題やリスクを書き出すことからスタートしましょう。
課題やリスクは書き出して切り分けて分類して整理
まずは、ここ半年くらい
「本人から困った大変だったと言われた」
「実際にトラブルが発生した」
「これは危険かもと不安になった」
「他の人から対処したほうがいいとアドバイスもらった」
ことを思い出し、書けるだけリストアップしてみてください。スマートホーム化とは関係ないことも含めちゃっていいです。
本人にも聞いてみたり、また介護サービスを導入しているのであれば、訪問介護ヘルパーやケアマネージャー、通所施設のスタッフさんなどに挨拶兼ねて話を聞きにいってみるのもありです。
ある程度書き出したら、今度はそれを切り分けて分類してみましょう。「筋力の低下」「スケジュール管理が困難」「記憶力の低下」「ストレスや不安」「コミュニケーション不足」など、想定される原因でまとめてみたり、あるいは場所・時間帯を書き込んでみるのもいいでしょう。発生頻度や、大事故につながりかねないことなのか、緊急で対処が必要かどうかといった分類も大切です。
大体まとまったら、優先順位をつけてみましょう。
そして現時点で思いつく解決策などを書きこんでいくのです。
このサイトのテーマである「見守りテック」は、課題解決のいろいろある手段のうちのひとつにすぎません。介護事業者や近所の人などとの連携、手すりや段差解消といった住宅改修、福祉用具の導入まで、いろいろな方法があります。認知症に関しては改善のためのいろいろな本もでています。
担当ケアマネージャーさんがいるなら相談してみましょう。同じように見守り・介護している人との話の中にヒントがあるかもしれません。いい解決策が見つからない場合には「何か方法がないか探す」などと書き込んでおきましょう。
どうでしょう。
課題や解決策を書き出して、客観的に眺めることで、それまで漠然と抱えていた不安が「解決すべき課題」として見える化します。それだけでちょっと、ココロが軽くなったり、「よーし、やるぞ!」とフットワークが軽くなったりもするはずです。
課題・リスク書き出し一例
ちなみに私も、母が一人暮らしとなり認知症の傾向が出始めた時、課題やリスクを思いつくまま書き出す作業をしました。その後、スマートホーム化で解決できそうなことだけを切り出してまとめたものがこれです。
そしてこのリストを元に、やるべきことに優先順位をつけ、必要なものを順番に購入し設置したり、いい方法がないかネット上で情報収集したりしました。
一年経ってから見直すと、未解決のまま忘れていたこともありますし、当時考えていたのとは別のよりよい方法で解決できたこともあります。AIアシスタント活用についても、当時は知識乏しかったんだなと気付きます。
手帳でもノートでも、スマホのメモアプリでも何でもいいと思います。同じように遠隔見守りや介護をしている友人・知人たちとの話の中から、将来起こりうるリスクなど見つけた際にはそれらも書き留めておけば、時間がある時にそれへの対処方法を模索することができます。
定期的にそれらを見直してみることも大切ですね。
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