ボタンを押すとLINEに通知~みまもりボタン「キテネ」で一人暮らし高齢者も安心
急に具合が悪くなり、ベッドから起き上がれなくなった。
玄関で倒れて、激痛で声もでない。
そんなピンチにいつ見舞わるかわからない高齢者やその家族にとって、これはかなり待望の製品といえるかもしれません。インターネット環境なども不要で、家の中でのナースコール替わりにも使える便利な製品です。
今回レビュー用に貸与してもらったので、どんな製品なのか実際に使ってみてご紹介します。
INDEX
みまもりボタン「キテネ」とは
このサービスを提供しているのはアンカードシステムズ株式会社という札幌市に本社を置く介護用IoTシステムを開発する会社です。「キテネ」は、2023年にリリースされた新しい製品で、開発者自身の介護体験から生まれたものだそうです。
特徴はいくつかあります。
- 通信機能内蔵で、インターネット環境などなくてもすぐ使える
- 通知はグループLINEに届くので、アプリ操作など不要で高齢の家族にも使いやすい
- ボタンの押し方で3通りのメッセージを設定できる
- 月額レンタルプランと通常購入プランの2通りから選択できる
私の実家ではWi-Fiでインターネットに接続するタイプのSOS緊急通報ボタンを使っていましたが、それだとインターネット環境がない家では利用できません。
また通知はグループLINEに届くので、複数人で見守る場合もグループLINEに参加してもらえればそれだけで見守りメンバーになれますしコミュニケーションもとりやすくなります。
大きさはこのくらいで、乾電池を入れた時の重さは約50g。すごく小さいというわけではありませんが、スマホを首から提げるよりはずっと軽くてじゃまにならないサイズです。外出時ならバッグに取付けるのもありだと思います。
月額レンタルプランと通常購入プラン
利用申込みは、アンカードシステムのオンラインストアで行います。
●みまもりボタン「キテネ」公式サイト(Anchored IoT Store)
料金プランは2種類から選ぶことができます。
月額レンタルプラン | 1,628円(税込) §最低利用期間は12か月 |
通常購入プラン | 29,700円(税込) §購入翌月から月額880円(税込)の通信費用がかかる |
月額レンタルプランの1,628円のうち880円を通信費用と考えると、機器レンタル費用は748円。ざっくり計算で3年3カ月以上使うのであれば、通常購入プランのほうがお得になります。
グループLINE通知なのでアプリも不要で複数人で見守れる
この製品でとてもいいなと思ったのは、「専用スマホアプリが不要」「LINEアカウントがあればすぐ使える」というところです。
見守りのための多くの製品やサービスは、専用アプリをインストールして使うものとなっています。設定などもそれぞれで行わなくてはいけませんし、通知を確認するためには、毎回そのアプリを開く必要もあります。
複数人での見守りをしようと思うと、その全員が同じアプリをインストールしてユーザ登録をしないといけないこともあり、シニア層が多い場合には自力では無理という方もでてくる可能性があります。
この「キテネ」なら、グループLINEに参加してもらうだけで通知が届くようになり一緒に見守ることができますし、そのグループでコミュニケーションをすることで、協力関係もスムーズに行えるかなと思います。
ボタンを押す回数に応じて3種類のメッセージ
ボタンが押された時に届く通知メッセージは、事前に登録をしておきます。この時、ボタンの押し方に応じて3パターンのメッセージを設定できるのです。
例えば・・・
こんな感じです。
ナースコール的に使うのであれば、「1回押し」「2回押し」「長押し」それぞれのメッセージを紙に書いてテーブルの上やベッドサイドなどに貼り付けておけば、高齢者もそれを見て押すことができるでしょう。
私は、新型コロナ禍に病気で在宅療養していた父の介護をしていて、SOSボタンが鳴るたびに階下の寝室に降りていっていました。そのため急ぎではない用事だと父がボタンを押しにくく、私が寝室の前を通るタイミングで声を掛けようとずっと待っているなんてこともありました。
もし当時この「キテネ」があれば、「1回押し・・・急ぎではないけど後でお願いしたいことあり」「2回押し・・・トイレ」「長押し・・・トイレ以外の緊急事態」など押し分けられるようにしていたかなと思います。
もちろん一人暮らし高齢者の緊急通報ボタンとして使うのであれば、3パターンのメッセージをすべて同じにしてもいいと思います。私は試しにこんな設定にしてみました。
実際に押してみると、すぐにグループLINEに通知が届きます。
LINEには、自分が設定しておいたメッセージの他、バッテリー残量とおおまかな位置情報もついていました(GPSデータではなく、基地局からおおまかな位置情報を推察したもの)
位置情報機能は、この後リリースされるオプション料金プランで追加されるとのこと。
+ + +
「何か用事があればスマホがあるから大丈夫」
と思っている方もいるかもしれませんが、認知症の初期症状で、今まで使えていたスマホ操作が危うくなっていくこともあります。私の母も、もともとLINEを使いこなしていたのに、認知症の進行とともに、かかってきた電話への応答すら危うくなっていました。
また家の中での転倒時にスマホを携帯していなかったり、声がだせない状態に陥ってしまうこともあります。
こうした緊急時などに使えるボタンがあることで、「もし何か異常事態が発生して、誰にも気付かれなかったら・・・」という不安も和らぎますし、それが心配で不眠に陥ったり、軽いうつ状態になってしまうなんてことも防げるはずです。
機能や使い方などは公式サイトにありますので、ぜひ見てみてください。
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入門編
初級編
<目的からチェック>
- 急な発病・転倒など緊急事態を早期発見
- スケジュール管理・毎日の日課リマインド
- 熱中症を防ぐ/家電製品の消し忘れチェック
- いつでも顔を見ながらコミュニケーション
- 外出・帰宅を確認/遠方から来客対応する
- リモコンが苦手になっても「声」で家電や照明操作
<モノからチェック>
- まずは手軽&安価にネット環境を作る
- 見守りの「目」になるネットワークカメラ
- 家電遠隔・自動操作するスマートリモコン
- 高齢者アシスタントはスマートディスプレイ
- 転倒や異常事態を検知するためのセンサー
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実践編
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